真空パックは、食材や料理を長期保管するために使用されます。家庭で真空パックを作るためのモノが家庭用真空パック機になります。色々な機種が発売されていますが、私はfoodsaverの真空パック機v4880を使用しています。
foodsaverとは
アメリカで真空パック機のシェアNo.1の会社です。日本のコストコなどでも同社製の真空パック機を売っているぐらい一般的な会社です。シェアがあると言うことは、消耗品が簡単に入手できるということです。真空パック機は真空パック用の袋やフィルムといった消耗品が必要になるため、消耗品が簡単に入手できる必要があります。food saverの消耗品はAmazonで購入可能です。
真空パック機とは
食材をパックに入れて真空に近い状態にして保存することで長期保管を可能とします。メーカー的には5倍長持ちすると宣伝しています。冷凍する際にも真空パックで冷凍すると冷凍焼けが起こりにくく、冷凍庫内の匂いが食材に移ることなく、長期保管ができます。
また、真空パックは食材の保管だけでなく、材料の味付けにも使用することができます。食材に調味料をつけた状態や、調味液と一緒にパックすることで味を染み込ませることができます。
V4880について
foodsaverの最上位機種ということで多機能ですが、サイズも大きくなります。ちょうどA4プリンターと同じぐらいです。内部には真空パックフィルムのロールがセットできて、引き出すだけで使用することができます。
また、ジッパー付きパックや真空ボックスに使用するハンディシーラーもついています。
ロールフィルムから真空パックを使用する際は、まず、適当な長さにカットして片側をシールして袋を作ります。カットするためのカッターも本体に内蔵されています。食材を中に入れた後で反対側から空気を抜いて真空にしたあとでシールします。これはボタンひとつですることができます。吸引圧のインジケーターもついているので、どれぐらいの引圧がかかっているかわかります。引圧がしっかりかかった状態でしっかりシールされます。また、液体や汁気が多いモノでも水分レベル自動感知システムにより、空気が抜けて液体がシールするギリギリまで来たところでシールします。本体側には液体を吸ったときの受け皿があるので、少量であれば液体を吸っても大丈夫な設計になっています。手動でシールすることもできます。
ランニングコストについて
真空パックを作る際には、ロールフィルムから袋を作る方法と、ジッパー付きパックを使用する方法があります。それぞれの場合でランニングコストを計算してみます。
Amazonでは、28cm×540cmロールが2本で2650円(送料無料)で販売されています。
ジッパー付きパックのセットには色々なパターンがありますが、小20×28cmが22枚と大28×35cmが13枚のセットで3476円(送料無料)があります。ロールフィルムで袋を作る場合は上下に合わせて5cmぐらいの取りしろが必要となるので、小22枚と大13枚を作るのに必要なロールはそれぞれ550cmと520cmとなり、合計でほぼロール2本と同じになります。
つまり、ジッパーバッグの使用はロールフィルムに比べて1.3倍のコストがかかることになります。小ならロールフィルムで約60円、袋で約80円となり、大ならロールフィルムで100円、袋なら130円になります。
ただ、袋はジッパー付きで何度でも使用することができますし、ロールフィルムでもシール部を開封の度に切り取るため容量は減りますが、中身を取り出したら内容量も減るので、繰り返し使用することができます。
ロールフィルムは幅が28cm以内であれば、理論上は長さ5mの物まで真空パックにできるので、棒鮭なども丸ごと真空パックできます(切らないと冷蔵庫に入りませんが)。
ジッパー付きパックは価格は高くなりますが、繰り返し使用できます。食材を少し取り出して再度真空にするという使用法に向いています。ロールフィルムでも繰り返し使用できますが、開封してシールする度にフィルムが切ることになるので、袋のサイズが小さくなっていきます。
ジッパー付きパックだけを使用するのであればfoodsaver portableがあるので、台所のスペースが占有されたくないのであれば、こちらを選択した方がよいと思います。
ランニングコストはそれなりにかかるため、節約のために安売りまとめ買いして真空パックで保管というよりは、コストを支払ってでも、買い物に行く回数を減したいというような使い方になると思います。
低温調理の時に
最近、低温調理が流行っています。低温で湯煎することで材料の中まで高温になりすぎずに加熱することができる調理法です。低温調理では食材をパックに入れて湯煎します。パック内に空気が入っていると水面に浮いてしまうため、均一に加熱することができなくなります。パック内に水が入らないように気を付けながら水に浸けていって空気を抜く方法もありますが、完全に空気を抜くことはできません。また、調味料を入れて真空状態にする方が、素材への味の染み込みがよいというメリットもあります。低温調理はこれまでにない新たな食材の味を引き出す調理法なので、ぜひ試していただきたいです。
ただ、低温調理以外の食材の湯煎には気を付ける必要があります。公式サイトでは『湯せんする場合は、沸騰直前の熱湯で温めてください。』と書いてありますが、パックのシール部分が鍋に当たっていて中身が漏れたことがあります。個人的には湯煎は鍋が熱くならない低温調理器との併用の方が安全だと思います。私は低温調理器は『Boniq pro』を使用しています。
低温調理器 Boniq pro
実際に使ってみて
FoodSaver V4880のサイズは一般的な日本のキッチンではかなり場所をとると思います。購入前に設置場所、収納場所を決めておく必要があると思います。ただ、日々の食材や料理を真空保存する場合は、便利な場所に設置するか簡単に取り出せる場所に保管した方がいいです。ロールフィルムを内部に保管しないタイプなどもあるので、設置場所が無い場合は収納に適した小型の製品を探してみるのもいいと思います。
吸引時の音はそれなりに大きいですが、ミキサーを使用する時の音よりは静かです。エスプレッソマシンの抽出時の音と同等か少し大きいぐらいなので、日常使いではそれほど気にならないレベルです。
消耗品のランニングコストはかかりますが、一度に食べきれない量のチーズの塊などの単価の高い食材の保管や、ミックスジュース用に季節の果物(イチゴなど)の冷凍保存、買い出しの回数を減らすための食材の保管には大変役に立っています。肉や野菜などは発泡スチロールの容器から移して真空パックにすることで、鮮度の維持と冷蔵庫内の収納スペースを小さくすることができます。真空パックでカットした野菜の鮮度も落ちにくいので、あらかじめカットした状態で保管出来て、調理時間を短縮することができます。そういう意味では時短家電とも言うことができます。
消耗品の入手はAmazonで簡単に購入できるため、特に困ることはありません。試したことはありませんが、純正品以外のパックを使用することもできるようです。
コストに見合う使用目的が明確にあって、設置場所があるのであればオススメできるグッズだと思います。